嘘吐きなその唇で




「オイ、柚乃。お前、それはあまりにも酷くないか?」



「あんたの日頃の行いが悪いからでしょ?」



「俺がお前にいつどこで何をした!?こんの南瓜に目鼻!」



「うざい、うるさい、黙ってろ。歩く卑猥野郎」



ピシャリと言う、私の親友の柿原 柚乃(カキハラ ユズノ)。



さすが、幼稚園からの腐れ縁。



容赦ない二人の口喧嘩に毎度のことながら、よくそんな素晴らしい単語が出てくるなぁと苦笑してしまう。




現在昼休みの学食は、当然ながら多人数で込み合っていて。



それでも、毎回席を取れるのは雅哉の特権(美貌)のおかげなんだけど……。