嘘吐きなその唇で




「ぐはっ!舌打ち!?オッサン、致命的ダメージを食らっちまったぞ?」



『(自称永遠の18歳が、自分のことオッサンって言った)』



「なぁ、灑良。俺、傷ついた」



『だから、何――っ!?』



朝比奈さんに勢いよく腕を引っ張られた私は、朝比奈さんの胸板に顔面をぶつける。



いったぁー!



今、鼻潰れた。



きっと、もう鼻じゃない。



鼻の原形をとどめていないに決まっている!



『オイ、オッサン!よくも!!』



右手で自分の鼻を押さえながら、鬼の形相で見上げる。



私が憤怒しているにもかかわらず、何故か朝比奈さんはにんまりとしていて……。