『朝比奈さん。加齢臭が移るから離れて』
「そう言われてもねぇー。逆のことがしたいと思ってしまう性分でな」
朝比奈さんはニヤリと口元にゆるく弧を描き、私の腰に手を回して引き寄せる。
ちょっ、この手は何だ、この手は!
私はうふふふっと努めて柔和な笑みをすけこまし野郎に向けながら、さりげなく手を腰から剥がそうとする、が。
『(は、剥がれない)』
それどころか、びくともしない。
まるで、接着剤で張り付けたかのように……。
どういうこと!?
私は一向に離れてくれない手をチラッと見た後、もう一度朝比奈さんに視線を向ければ、

