垂れた犬耳が見えるほど可愛らしくては放っておけない。



「びっくりしたけど…はるき君は、あたしの嫌がることはしないでしょ?」



でもこういう会話は恥ずかしい。



「そりゃ、自分の意志では絶対にしないけど…わかんない。」



「わかんないって…」



不安が。



「あぁもうっ!璃花は男のこと知らなすぎ!」



プイッと体ごと壁の方を向いてしまった。



「不安とか感じて欲しくないから璃花から離れるんだよ!」



壁から跳ね返った声があたしの耳に届く。



「じゃあ、修まったらまた近づいてもいい?」



ドキドキ



「………………」



勇気出して聞いたのに返ってこない。