heart and cold~私には貴方だけ~【完】






「おはよう。」



後ろから聞き覚えのある声が聞こえた…



「櫻坂くんおはよう!」



長野さんは目をキラキラさせながら挨拶を返している。



もしかすると彼女は彼が好きなのかもしれない。



あの容姿だから仕方がない。



というか狙っているなら、やめた方がいいと思う。



「おはよう、夏目さん」



ドキ…



あいさつされるとは思わなかった。



不自然だからか…



そしてちょっとだけ『璃花』と呼ばれなかったことが気にかかった。



あたしは寂しいのだろうか?



変な気持ちになる。



「おはようございます…櫻坂くん」



この前のことはあれから一度も会わなかったため、なにも解決していない。



そのままお互い猫をかぶらなきゃいけない場所で会うことになるとは思わなかった…



今すぐ聞きたいのに聞けなくてもどかしい。



もしかしてこの前のは、聞き出そうとしていることがウザいと思われたから答えてもらえなかったのだろうか…



ズキッ



胸の奥が痛んだ。



なぜ痛むのだろう。



あのときからあたしはどうしてしまったの?