「…ありがとう。」



控えめな声が返ってきて、はるき君もまた抱きしめ返す。



「でもね、璃花」



「なに?」



心がポカポカして、顔がニヤケそうになっているところで、はるき君が真剣そうな声で言う。



「もし、これから先、璃花が誰かのせいで悲しくなったり辛くなったりしたら、無理に相手を許したりしなくていいんだよ。とことん嫌って、時には愚痴をこぼしていいんだよ。」



真剣だけど、あたしへの優しさがよく伝わってきた。



けれども少し難しい話だ。



「それは…できないよ…」