「んだよ、やんのか?」




バン、と威勢のいい音と共に
昴は席から立ち上がる。


理恵はそれを冷ややかな視線で睨みつけた。




「あぁ上等だな」




ゆっくりと理恵の口が動く。


しーん、と教室は静寂に包まれる。
それもつかの間、昴が呆気な叫びをあげた。




「うっっっぜェェ!!」

「お前うるさいぞ。声の音量というのも考えろ」

「誰のせいだっつーの!」




静かに雨が降り注ぐ音だけが耳に焼き付けられる。


理恵はストローを口にくわえたまま、
つまらなそうな顔をして呟いた。




「下らない」