ケロっとした表情で言い放つ理恵。
その表情からは昴に対しての
罪悪感は感じられなかった。




「いや......えぇっと、君さぁ」

「何だ?」

「すっげぇムカつくんだけど」




昴は呆れと怒りの混じった
何ともマヌケな表情で呟く。


外で降り続いていた雨の音が
いっそう大きくなった。




「何だと?」




理恵の眉がピクリ、と動いた。


キリッとしたつり目のせいで
更に怖い印象だ。


口元を歪ませ、露骨に気に食わない風をしながら
昴に訪ね返す。




「お前の方がムカつく。初対面への口は慎め」

「ぜってーお前がムカつく!っていうかお前こそタメ語じゃん!」

「耳元で騒ぐな、うるさい」