「な......なんだよ」
昴は表情を強ばらせ、
いかにも理解できないような様子だ。
理恵はそれを鼻で笑いあしらう。
「お前が北条 昴か?」
「そうだけど。っていうかクラスメートの名前は覚えましょーよ」
たくさんの生徒達が廊下を埋め尽くすのが理恵には見えた。
その不格好さを見て、自然と思い出した。
「そんなに言うほど格好よくないな。いかにもバカそうだ」
「ハァッ!?」
いきなりの冷淡かつ失礼極まりない言葉に
昴は気の抜けた声を出す。
初めて会話を交わす中で、
こうもハッキリと言える堂々さは天下一だろう。
「噂でお前がモテるって聞いてたが、ただのガキだな」