「じゃあオレが隠れるから」
「お前バカか?というかバカだったな」
理恵は頭を押さえ
再びため息をつく。
理恵はハッキリ、かくれんぼと言う
遊びをした事がなかった。
小さい頃から友達が少なく
兄弟や姉妹もいない。
唯一理恵を可愛がってくれた
優しい母親も病気がちで遊べなかった。
父親も母の看病に追われ、
理恵はいつも一人で居ることが多かった。
「じゃ隠れるからな!」
あどけない笑顔を理恵に向け、
昴は河川敷の下に消えていった。
理恵は空を見上げながら30数える。
「いーち、にーい、さーん、しーい」
子供みたいな数え方をしながら30秒はあっと言う間に過ぎた。
