部屋の中に入ると桜は目を見開いてあたしの手をとった。

「桜?」

「どこも怪我してねぇ?」

「大丈夫だよ。これさっきやっちゃって……」

「んなもんどうだっていいんだよ。
小春が怪我してないなら、理由とかどうでもいいから」

「さく……ん……」

桜はあたしの言葉を遮るように唇を重ねてきた。

久しぶりの桜のキスはやっぱり優しかった。