15歳、春。




桜がまだ咲いていない日。
私は高校に入学した。






鈴村 苺。
ごく普通の女の子。
高校入学できたのが、奇跡とみんなに、言われるくらいの成績。





まだ、着慣れていない制服に腕を通し。
通いなれた道とは、違う道を歩く。
不安と、期待を胸に…高校へ向かう。






空は、青々としていて雲の一つもない。
風は、まだ冷たく。
春の暖かさは、まだない。









「高校で、恋できるかな…?」










見通しの悪い角に差し掛かった時。



.