もう、いいや。


誰かが気付くまで動かずにいよう。


誰も来なければ、私は死ぬ。


誰かが来れば、帰る。


それだけだ。


丁度思考がここまで来たところで、声がした。


「ねぇ、なんであなたずっといるの?」


か細くて、透き通った声。


助けに来てくれた?


でも、聞いたことのない声。


そのままドアに耳を近づけ、その後の反応を確かめる事にした。


「ねぇ、なんで泣くの?ねぇ、なんで?」