「じゃこれは俺の夢ってこと?」

「まぁ、それに近いな」

「じゃ、ずっとここにいたいよ」

そしたら
きっと幸せだろう

「それはだめだ
お前には瑛梨奈が待っているだろ」

「そ、れは…でも、瑛梨奈とは」

瑛梨奈とはもう仲良くないし
喧嘩ばかり

「仲良くないなんて
ずっと見てるからわかってる
わたしは、伶斗お前に人を傷つけるために
喧嘩の仕方を教えたわけじゃないぞ、人を守るために教えたんだ」

「そうよ、母さんも、伶斗と瑛梨奈が喧嘩するために
産んだんじゃないのよ」

たしかにそうだ、俺は
父さんに人を守るために喧嘩を教えてもらったんだ

瑛梨奈だってそうだ
俺たちは喧嘩するための兄妹じゃない

大好きな妹だ
たった1人の家族だ、俺が守らないでどうする