まり?

まりが俺を抱きしめた

「ま、り?」

「うわぁぁぁん」

まりが初めて声を上げて俺の腕で泣いた

「まり、ごめん、ごめんな?」

「なんで。実が謝るのよっ…ヴっぅ」

「俺怖かったよな」

「ちがっ、実じゃなくて。」

「…あいつら?」

「うん。わたし。こーゆーのたしかに
慣れてるけど、ほんとはずっと怖い。
もしかしたら、殺されるんじゃないかって
明日からみんなに会えないんじゃないかって
時々思うの。
瑛梨奈の後ろに隠れてただけなの」

「知ってたよ。まりの気持ち。
ほんとはずっと1人で泣いて、1人で傷ついてたこと。
まりは殻は強いけど中身は儚い
すぐに壊れちゃうこと俺は知ってた」

「な。んで?」

「まりのことずっとみてたから」