『あれの犯人って、主人公の親友の親友だったんだろ?』
『え? 何でだ』
『あれはな…………』
不意に耳に届いた、中庭からの声。
瞬間、ニヤニヤ顔浪瀬の追及が止んだ。
窓から身を乗り出す勢いで、彼らの話を聴きだすではないか。
張り詰めた緊張の中に居た私は拍子抜けしてしまう。
ただひとつ言えることは……。
「助かった……」
この声は、ゲーム談義をしていた人達ですね。
他の人は、テストがどうだったばかりだから、そこだけ異彩を放っていた。
今日は推理ゲームの話しかな。
浪瀬はふむふむと真剣に聴いていることから、彼もかなり幅広くゲームをしているのだろうなと推測する。
つくづく彼らは気が合いそうですね。
さて、不名誉にも、浪瀬と同類の疑いがある人はどこかしら。
面白半分で中庭を眺めると、ひときわ目立つ集団があった。