1学期末テスト1日前。
ゲーム談義に花を咲かせていた生徒の姿はあるものの、内容は打って変わって翌日からのテスト一色に染まっていた。
流石に危機感を覚えたのだろう。
ゲーム談義をいつも楽しみにしていた浪瀬は、目に見えて落ち込んでいた。
しかし、耳を傾けることは止めない。
そのうち、昨日までのようにゲーム談義が始まるんじゃないか。
その一瞬を逃さないように聴き続けるその集中力。
嗚呼、なんて己の欲に忠実なのだろう。
清々しいほどに。
結局この日、ゲーム談義が行われることはなかった。
背中に哀愁漂わせ、教室を出ていこうとする彼に、作っておいた単語帳を投げ渡した。
慰めの品である。
* * *
期末テストは5日に渡り行われる。
土日を挟んでのものだったが、あっという間だった。
光陰矢のごとしである。


