「あーもーわかったわかった」
あまりにも五月蝿く鬱陶しい彼に根負けした。
「はっ、わかればいいんだよ。じゃあ早速盗ってきてもらおうか」
「誰が盗ってくるって言った?」
「今わかったって言ったじゃねーか。嘘かよ!」
「あまりにも五月蝿いから頷いただけでしょ、私は不正はしないの」
「期待させといて、嘘だったとか最低だな!」
「貴様は社交辞令というものを知らんのか」
「きたねぇぞ!」
「代わりに、予想問題作ってあげるからそれで手を打ちましょう」
見返りを求めず尽くすなんて、私やっさしー。
「予想なんてあてになるかよ」
この期に及んでまだ文句をつけてくる浪瀬。
どこのクレーマーよ。
だったらてめーで全部やれよ。
喉まで出かかった言葉は飲み込んだ。
「予想と言えど、侮れないよ。特にここは、問題の宝庫なんだから」
今いる場所、中庭に面する2階の音楽教室は、情報収集でよく使うお気に入りの穴場。
そこは、人の噂話に留まらず、テスト前になると、勉強しあう声で賑わう。


