じゃなくて。
「本気で言ってるの?」
「当たり前だ。奴はさぞかし毎日良い思いをしていることだろう。そのレディ達の視線、全て俺様が奪ってやる! そして奴は惨めな思いをするのだ! わっはっはっはっ!」
電車でのこと、かなり根に持ってるみたいです。
物凄く悪い顔をしていますわ。
ケータイのカメラにぱしゃり。
浪瀬は如何に奴に仕返しをするか考えるのに夢中で、こちらの行動に気付いてはいない模様。
保存をかけて、バックアップもとっておく。
残念ながら、女の子の視線を独り占めにしたいと病的なまでに考える奴は、貴様くらいなものだと思います。
だから、いくらハーレムを崩されようと、インテリキャラ似のイケメンは、痛くも痒くもないと思います。
と込めた憐れみの目を浪瀬に向けます。
計画を立てるのに必死な彼は、此方には見向きもしません。
「そういえば、どうやって進学校に行く気ですか?」
「ああん?」
楽しい楽しい仕返しを考えていた浪瀬は、凶悪な顔で答えた。
「勿論、制服着て堂々と、正面から校内に入んだよ」


