竹中麻晶は他に目移りすることなく一直線に歩き出す。
そして、ある棚の前で足を止めた。
それから、本を手に取っては戻しての繰り返し。
周りなんて、一切目に入っていない様子。
すごい集中力です。
「おい」
「何よ」
いきなり横っ腹をつつかれて、体が跳ねる。
むっと抗議の目で見上げた。
私、そこ弱いのよ!
「あいつの隣にいるの、俺様たちが追ってきた女じゃね?」
「えっ?」
言われて見ると、竹中麻晶の陰に、人の姿が見え隠れしている。
本を数冊持った竹中麻晶がその場を離れると、その人がはっきりと見えた。
「あっ、ほんとだ。浪瀬クンよく見つけたねぇ」
「バカにしてんのか」
「ほめてるんですー。そんな怖い顔しないでくださいー」


