そうこうしているうちに、北村美友紀先輩が建物に入った。
見失わないように、小走りで追いかける。
「ここは……」
自動ドアをくぐって、着いたそこは。
「本屋、だな」
ここら一帯で一番大きな本屋だった。
綺麗にディスプレイされたマンガ。
アニメ化決定の帯がついたそれらが山積みになっている。
顔を上げると、いつも買っている雑誌が目に入った。
今月のまだ買ってないやと思考を飛ばしていると、いきなり腕を引っ張られ、本棚の陰に連れて来られた。
「何何、見たい本でもあった?」
きゃぴきゃぴした声で訊くと、浪瀬はあごで入り口を指した。
そちらに視線を向けると、あろうことか、さっきまで私たちが居た所に竹中麻晶がいた。
浪瀬が引っ張ってくれなかったら、鉢合わせしていたということだ。
いくら髪型をいじったといっても、完璧ではない。
よくやったの意味を込めて、浪瀬に親指を立てた。


