私は彼の横に手を伸ばして、開いた窓を勢いよく閉めた。
「ゲフッ!」
ちょうど首のところにクリーンヒットしたらしく、イケメンにあるまじき悲鳴を上げて倒れる。
私はその屍を越えて難なく教室に入った。
何事も無かったかのように帰ろうとすると、足首が重くなる。
見ると、倒れた体勢のままの浪瀬の手があった。
なんのホラーですか。
眉間にしわが寄る。
「一緒に帰ろうぜ」
そんな私を見上げて、彼は輝く笑顔でのたまったのだ。
「いつ、私と貴様がそんな関係になりましたか」
「クラスメートだろ」
「だったら何です」
「充分な理由だろ」