片山先輩は、男子バスケ部の部長をしている。
身長は少し低いがプレーは目を引くほどかっこよく、顔もいいので結構なファンがついている。
後輩への面倒見がよく、中でも千葉君とよく絡んでいて、部活終わりに食事に行くほど仲がいい。
というのは、昨日の女子マネージャーが言っていたこと。
未だ照れたようにする被害者、千葉に私は真実を告げる。
少々気が引けましたが、致し方ありません。
これが千葉君のためです。
「マネージャーの視線は確かにあなたに向いています。同時に片山先輩にもね」
「どういうことですか」
「詳しくはわたしの口からは言いかねますが、要約すると。あなたが片山先輩と近づくたび、話すたび、マネージャーの脳内ではあなたと彼は一線を超えているのですよ」
あっはんうっふんどったんばったんしているのです。
蘇る、昨日の相談者の声。
『片山先輩は、恥ずかしがる千葉君を無理やり……』
その夜見た悪夢。
まぶたを閉じるだけで浮かぶ、片山先輩と千葉君の合体(想像)。
……ギャー!!


