隣で呑気に焼きそばパンを食べられると、警戒しているのが馬鹿らしくなってきたわ。
私も、用意していたチョコチップメロンパンを開封。
もきゅもきゅと頬張った。
窓の外の声に耳を傾けながら。
今日も何のテレビ番組だとか、週刊誌のマンガだとかの話しが舞う。
その中にも、授業の復習をする声もちらほら。
やっぱり、盗み聞きでどうにかなる問題じゃないのよ。
秘密の文通なんてものは。
秘密、なんだからさぁ。
「そーいや、もうすぐテストだけどさー」
ふいに、隣の男が口を開く。
「盗らないよ」
「まだ何も言ってねぇ」
「貴様の言いそうなことは見当がついていますのよ」
前にも言われたからね。
テストの問題取ってこいって。
「これが以心伝心というやつだな」
「絶対違う」
私は学習したのよ。
てか、本当に盗ってこさせるつもりだったのかい。
とんだサイテーヤローですね。
「俺様は今日まで結構、お前に尽くしてきた記憶があるんだが」
「私にはないわね。寝言は寝て言え」
「そういつも都合よく逃げられると思うなよ」
「へーへー。楽しみにしてるわ。貴様が私の役にたつ日を」
借りは返してきたはずよ。
過剰請求なんて都合のいいマネさせない。
「……んで、テスト問題が出来た頃にもらいに行くんだが、野枝もいるか?」
「いーりーまーせーんー」
そんなことで恩を売れると思うなかれです。


