トイレの神様‐いいえ、ただの野次馬です‐





 * * *





今日もひとり、相談者があった。



「わたしは、あの人がいきなり文通をやめた理由を知りたいの」



え、そんなの、個人の事情ですから。

明確な理由なんてそんな……。


でも、いきなり止んだのなら、不安にはなるでしょうね。




「どうか、この人ともう一度繋げてください」




上の隙間から、空色の封筒が舞い降りてきた。


そして、彼女はこの場を後にする。



なんとかしてみせる、なんて無責任なことは言えなくて。

私は返事をしなかった。




これでも私は、トイレの神様などと呼ばれている身。


できる限り、足を運んでくださった方々にお応えできればとは思っておりますとも。



ですが、顔も名前も知らない文通相手?

んなもん、盗み聞きでどうにかなる相手じゃないわ。





誰もいないトイレの個室で、深いため息をついた。