「いつも一人でいる僕に優しくしてくれた、そんな子が、犯罪じみたまね、するわけがないでしょう!」




大声で主張して、息を切らす。



少しは落ち着いたようなので、懇々と諭していきます。




「行動を急かさせ、誰にも相談させないのは、詐欺などでよく用いられる手段だと聞いたことはないか? 彼女がそなたに話しかける時、周りには人がいないのでは」




彼がそれに反論することはない。




私は『古賀瑞穂』の名前が出た時から用意していた数枚の写真を、上の隙間から向こうに落とす。




「古賀瑞穂は、そなたのようないつも一人でいる者を的に、金を巻き上げているようだ」




先ほど落としたのは、過去に古賀瑞穂と関係を持った、言い換えればカモになった男が彼女にお金を渡しているところ。


もちろん、被害者の顔は隠してある。




次に落とすのが、彼女の家族。




「見ての通り、古賀一家はご健在である。妹など、初めから存在しない。父親はくびどころか、昇進が決まっておるよ」




そして、今日仕入れたばかりの写真を含めて、他数枚を落とした。




「最後に、そなたたちのお金が何に使われているかというと、男への賄賂じゃ」




古賀瑞穂と一緒に写っているのは、全て違う男。


ホストだったり、不良だったり、大学生だったり。


共通しているのは、イケメンだということ。