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時は過ぎ、運命の体育祭当日。

私達は机に向かって、通常授業を受けていた。



制服の中、ちらほらといる体操服の肩が沈んでいるように見えるのは強ち間違いではない。



気持ちはわかる。

快晴の中、家から体操服を着てきたというのに。

着いてみれば空は大粒の涙を流していたのだから。


つられてほとんどの生徒達も涙した。




そんな中、上機嫌なのは市場と川邊だ。

松本さんと浪瀬の二人三脚を阻止できたのだから。



雨が降った時、ふたりは手を組んで喜びを分かち合っていた。




私は知っている。

彼らの鞄から下がっているそれと同じもの。


逆さ吊りされたてるてる坊主が、彼らの家に大量に吊るされていることを。