トイレの神様‐いいえ、ただの野次馬です‐


正面にはアクセサリー、右は服で左は靴。




「どこから行く?」



「普通に上から行こうぜ」



「了解」



男性陣が即決し、わたしたちは入り口すぐのエレベーターに乗り込んだ。


その最上階のボタンを壬生君が押し、次に扉が開いた時。




「ゲームセンターか」


「おっ、対戦やろうぜ!」



村尾君は上坂さんを、森田君は大崎さんの手を取り、エアホッケー台に走って行く。



「科乃くーん!」


と叫ぶ上坂さんの声は、虚しく遠ざかっていった。




彼女達を追うようにエレベーターを降りる。



………まず、これ、トリプルデートだったよね。

彼氏の前で他の男に擦り寄る上坂さんをおかしいと思うのは、私だけでしょうか。




遠くの方から4人がホッケーするのを眺めていると、いきなり視界を遮られた。




「あっ……!」



「食べる?」



隣には、チョココテーィングされたスティック菓子を食べている壬生君がいた。


目の前にあったのも、よく見ればそのお菓子の箱だ。




「どうしたの、これ」


「さっき取ってきたんだ」



大きい箱で、アミューズメント限定商品だろうことはわかる。




「すごいね」


わたしじゃ絶対取れない。




「一緒に食べようよ」



「じ、じゃあ、お言葉に甘えて……」


箱の中の空いてる袋から1本もらう。


2人でポリポリ食べながら、引き続きホッケーを観戦した。




初めは、きゃっ、こわいー、なんて言っていた上坂さんが、中盤に差し掛かれば口に出せないような雄叫びをあげながら円盤を打っていた。