トイレの神様‐いいえ、ただの野次馬です‐

「だったらあれだ」



より顔を近づけられ、上体を反らす。




「お前を連れ回した手間賃と思って貰っとけ」




ニヤリと笑み、去り際に私の持つわたあめを一口食べていった。



いいんだけどね。

浪瀬の金で買ったものだし。



さて、私は何を貰おうかしら。


連れ回された手間賃にしては安いとは思わなくないけど、貰えるものは貰っておきましょう。



広げられた昼食を見ると、ひとつ残らず浪瀬の食べかけであった。




「…………浪瀬君よ」



「遠慮せずに食え」




はいあーん。


と勧められたのは、これまた浪瀬が今まさに口に入れようとしていたお好み焼き。



口の前に差し出されたそれを無視して、彼を睨みつけていると。




「猫舌か? んな心配しなくとも、この俺様直々にふーふーして冷ましたから安心しな」



「……………」




そういう意味じゃないでしょう!?




「何が気に入らないんだ、女子の好きなシェアってやつだろ」




私の前に出したお好み焼きを浪瀬がぱくり。




「バイキングにもルールってもんがあるでしょうが」



「俺様の奢りをバイキング扱いかよ」




「同じ箸をふたりで使うってのもねぇ」




「ねえもんは仕方ねえだろ」




「お腹空きましたし、シェアも嫌いじゃないので、ありがたくいただきますけど」




「食うのかよ。しかも一切ありがたみってもんを感じねぇぞ」




文句言う浪瀬を放置し、もさもさとわたあめを食べる。

するとまた浪瀬が迫ってきた。




「今度は何……」




「しっ、黙ってろ」




切羽詰まったように言われ、口をつぐむ。