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というわけで、開会宣言から数時間後。



予想通り、我ら窓際族は店番を押し付けられ。




そして私は、射的の島を任された。


椅子に座って客を待ち、来たら割り箸製鉄砲と輪ゴムを渡すだけの楽な係。



この教室には他に、くじ引きとボーリングもどきが設置されている。



もちろん、うちのクラスの出し物はこれだけではない。




「キャー!!」



隣の教室から女子たちの黄色い悲鳴があがった。


そこには私のクラスから、輪投げ、ダーツ、ヨーヨーすくいが展開されている。



あちらは大人気のご様子で。


こちらは閑古鳥が鳴いていて。




同じクラスだというのに、この差は何だろう。



まぁいいですけど。




暇を持て余した私は、割り箸製の銃に輪ゴムを引っ掛け、的に当てた。


ふっ………。



なんか楽しい。




暇なのをいいことに何度か撃っていると。




「よぉ」



振り返らなくても判る。



「どーも」



銃に輪ゴムをセットしながら、おざなりに返す。




的に狙いを定めて、トリガーに指をかけようとした瞬間。



背中が重くなり、銃を持つ手に手が重なる。


あ、と思うより先に、重ねられた手によってトリガーが引かれた。



発射された輪ゴムは、引き寄せられるように的に当たる。



瞬間、割り箸製銃を掠め取られた。



それを目で追い振り向くと、そこには銃口の煙を吹く浪瀬。



もちろん、割り箸輪ゴム製で煙など出ませんよ。

一種の例えです。




「惚れたか?」



「バカか」



いくら流し目で格好つけても。

割り箸製のちゃちな鉄砲が、全てを台無しにしていた。