トイレの神様‐いいえ、ただの野次馬です‐


「じゃあじゃあ、自己紹介しようぜ。俺は凌太(りょうた)」



「俺は孝啓(たかひろ)な」



言い寄ってくるチャラ男2人に、私は両手の指先を合わせて口元に持ってくる。



「野枝っていいますぅー。よろしくねぇ」



甘い声で上目遣い。


普段の私ならしないことばかり。


出血大サービスなんだからねっ。



チャラ男共が鼻の下を伸ばしている間にも、女2人の視線が私に突き刺さる。


殺気がゴーゴー立ち上っているのが見えます。


チャラ男2人に気づかれないように、ニヤリとした笑みを彼女たちに向けた。



「ねぇねぇ、早く出店見に行こぉ。もぉお腹ペコペコぉー」



腕をチャラ男2人の腕にそれぞれ絡ませ、引き寄せる。



「お、おお……」



「いっ、行こうぜ」



3人、もつれ合いながら出店への道を歩く。


残された3人は不穏な空気を纏いながらも、はっとしたように追いかけてきた。


女2人は思い出したように浪瀬にすりよる。



たこやき、からあげ、やきいか、かき氷。


いろんな店で買い食いを楽しんだ。



「たのしいねぇー」



声に出すと、チャラ男2人も同意した。



「でもぉ、のえ、歩き疲れちゃったぁ。あそこのベンチで少し休もぉ?」



「そ、そうだな」



「いこっか」