トイレの神様‐いいえ、ただの野次馬です‐



 * * *




決戦は、午後5時半。


祭り会場最寄り駅。



浴衣のすそを捌きながら歩き、今朝見た顔のある集団に突入した。



「ごめんなさいっ」



5人の視線が私に集まる。

ぺこりと頭を下げ。



「待たせちゃいました、か?」



ちらっと上目遣い。



「いやいや、俺らも今来たとこ」


「気にしないでっ……」



浪瀬以外の男の顔が赤くなる。


つかみは上々。


代わりに、浪瀬からは驚いたように丸くした目で見られ、その他女2人は鋭い目を向けてくる。


今日の私はぶりっ子キャラで行く。



「よかったぁ」



ぽんと手を合わせ、ツインテールを揺らす。


毛先を少し巻いたのがふわふわ感をだして、男心を狙い撃ち。


メイクでも、クマを隠すのはもちろん、パーツパーツに気を配り、キューンとくる顔に仕上げた。


これはもう、ひとつの芸術作品と言ってもいい出来よ。


どう、浪瀬。

参ったか。


ふふーんと目線を送ると、浪瀬は舌打ちしてそっぽを向いた。