年上彼氏【短】

嬉しかった。


わたしに、笑顔を向けてくれた。



それだけで泣きそうになった。




そしてなぜか、わたしに近づいてきて…──



その花束を、わたしに突き出した。




「え……?」



わたしが驚きながらそれを受け取ると、

歩夢先輩は優しく微笑んで、こう言った。




「あとで話そ。」




そして爽やかに手を振りながら、歩いて行ってしまった。





「ちょっ…やったじゃん、詩音!」



葉月が興奮したようにわたしの肩を叩いてきた。



さっきの事はみんなが見ていたらしく、


隣にいる同じクラスの子も、前にいる2年生も、みんながわたしを見ていた。