年上彼氏【短】

すぐに、先輩を探した。



先輩は…前の方で、友達と固まりながら歩いてきた。



3年生は全員、一輪の花束を持っていた。



どうやらそれを後輩に渡しているそうだ。




あれが欲しい。


でも……無理だよね。


面識とかもないし。




そんなわたしなんて知らずに、先輩は笑顔で、時折手を振って近づいてきた。



あの長めの髪がサラサラと揺れている。



間近で見た先輩は、やっぱりかっこよかった。



周りよりは小さいが、やっぱりわたしより背は高い。




そして、わたしが精一杯微笑むと、

なぜか、ドキッとしたようにしてから、微笑んでくれた。