年上彼氏【短】

「織原 拓也!」


「はい!」




わたしは内心ビクッとした。



何回やっても、「織原」と呼ばれるとびっくりする。



壇上を見れば、わたしの兄が立っていた。


キッチリと卒業証書を受け取っている。




そう、歩夢先輩は、兄の友達なのである──



兄が憎い。



でも、兄と同じクラスだからこそ、

兄の持っている写真とかに歩夢先輩が入っている可能性は高い。



そこだけは…嬉しいんだけど。




わたしはそんなことをずっと考えていた。