「わがままで、気分屋で、それは苦痛にはならない?」
「好きだから、気にならない」
まだ目の端から涙がこぼれているのに、彼は満面の笑みで私を見つめてくれた。
嬉しかった。
私の涙腺はまた崩壊して、崩れたマスカラもアイラインも手伝って、きっと今、ひどい有様になってる。
それでも彼は制服の袖で私の涙をぬぐってくれた。
ありがとう。
つぶやいて笑いあう。
もう、大丈夫。
もう、怖いものなんてない。
私の不安は、また彼が解消してくれたから。
大好きだって、また気持ちが通じ合ったから。
もう、大丈夫。
もう、怖くない。
私たちは次へ進める。
このラインを、越えたから。
【イエローライン/了】