満員電車に乗って









地元の駅に着き、改札を抜けた時だった。

「ちょっと待って!」


私に向けられた声かわからないけど、反射的に振り返ってみる。


すると、さっきのチャラチャラしたグループにいた内の一人がいた。


「これ…君のだよね?」


差し出されたのは私の生徒手帳だった。


私が頷くと、彼は私の生徒手帳を再び自分のポケットにいれる。

どういうことだろう…。



「返す前に、ちょっと付き合って!」

そう言い、私の反応も見ないまま彼は私の腕を引っ張っていった。