その瞬間…
心臓が嫌な音を立てた




 ドクン…




『なんで…なんであいつが…
いるはずないのに…』




「あ、悪ぃ…」




なんで、思い出したくないのに…




…目頭が、熱い




「って、おい!
なんで泣いて…」




「っ…優ちゃん、行こ!」




「え、ちょっ、真希!?」




やめてよ。



なんで涙が出てくるの。



止まってよ…




あの時のことなんて




もう忘れたはずなのに…




無かったことにしたのに…