あたしの救世主





その女の子は
淡々と俺にそう説明した




「…ふーん…」




腑に落ちないが




返事だけはしておこう




「て、ことだから、ごめんね」




そう言って




何事もなかったように




二人は席に戻った




それでも彼女の表情は




しばらく変わらなかった




悲しさ




切なさ




怒り




そして、苦しみ




『男子が苦手』




そんな簡単な理由では片付けられない




もっともっと深い闇を




その小さい身体に




溜め込んでいるのではないか




彼女の表情を見て




そう思った…