あいつ…笹本がまた
俺の前であんな顔をした




最近はあの表情は見なくなったと思ってたのに




「けどっ!

…それでも、ダメなの」




俺を頼れって言ってるのに
笹本は何度も否定した




「だって…本当の理由を言ったら

橋村はきっとあたしから離れていく

そうなるのは…絶対…嫌なの…」




もしかしたら…

笹本が抱えていることは、笹本にとって
すごく大きなものなんじゃないか

そう思った




「あたし…




橋村のこと……好きだから…」




…!?




「今日みたいに、ずっと一緒に…いたいの


だ…から…、言いたく…」




考える事よりも先に、体が動いた




俺は、目の前の笹本を抱きしめていた