「はぁ…はぁ…」
ここ…どこだろう…
誰もいない
大きな水槽の中で、魚たちが
ゆっくり泳いでいる音しか聞こえない
「笹本っ!!」
「!!」
また走って逃げようとすると
橋村に腕を掴まれた
「なんで逃げるんだよ」
「……離してよ…」
「さっき何があったんだよ」
「……なんでもない…」
「じゃあなんでそんな顔してんだよ!」
「!それは…」
「お前、一人で何を抱えてるんだよ
なんで一人で溜め込もうとするんだよ
なぁ…俺の前でそんな顔すんなよ…」
「!!」
「初めて会ったときから、思ってた
なんで俺の顔見て、そんな辛そうな顔すんだよって
俺は……
お前にそんな顔してほしくないんだよ
なぁ……一人で溜め込むな」

