「あぁ、これ?
だってそうでもしねーとお前はぐれるだろ?」




「なっ…!また子供扱い!?」




「いいから俺の言うこと聞いとけ
これ、命令だっての忘れんなよ」




ったく…どこまで俺様なのさ…




「おっ、着いた。ほら、笹本」




「えっ?」




名前を呼ばれて、顔をあげると…




「すごい……!」




そこには、高い天井いっぱいまである すっごく大きな水槽があって
中では数えきれないほどの魚たちが泳いでいる




「どう?俺のおすすめは?これ、ここのメインの水槽なんだけど…

……笹本?」




「えっ?
あ、ごめん…ちょっと見とれちゃった」




こんな綺麗な景色…初めて見たよ




それも、あたしの好きな人と…




こんなに嬉しいことないよ





「ありがとう…橋村」




あたしは、橋村の手をキュッと軽く握った




少しでいいから、あたしの気持ちが
伝わるように…




「おう……」




本当に…ありがとう…!