バタバタと数人の足音が聞こえてきて、それからすぐしてだったと思う。 私の口へと当てられた袋。 「ゆっくり息吸え」 私の口元の袋は大きく開いたり縮んだり。 少しして呼吸が良くなると、レイジが袋をそっと外してくれた。 レイジに見られてしまった。 こんなところを……… どうしようもなく苦しさが込み上げてきて、私の瞳からはふと一粒の水滴が落ちていく。