「自分で自分が分からない」そう続けたリュウガはまるで、こんなの可笑しいだろ?とでも言いたそうに苦笑いをして続けた。





「今まで、ずっとこうやって生きてきた」




普段、多くは語らないリュウガが
自然と言葉を漏らしていく。




「それが当たり前で、それが俺自身だと思ってた」





自分で自分が分からなくなる。それを当たり前だと言ったリュウガは


どんな思いで言ったのだろう。




「でもあの時、お前が言ったんだ」





「…………」




「俺に殺してくれと」




“私を殺して”確かにあの時私は言った。


お願いだから、頼むから私を解放してくれと。