リュウガさんの為に生きるとは、一体何をしたら良いのだろう。



それは良く分からない。



ここで働けばいいの?

生涯ずっとここで。




「こんにちは、わたくし橘と申します。お話はアキさんから聞いております。こちらへ」



橘さんは黒縁メガネをかけた、いかにも真面目そうな男性。


どうみてもあっち系とは程遠く、
てっきり裏の世界のお方と言ったら、スキンヘッドにサングラスとかそんなイメージだったのに、これはある意味裏切られた感じさえする。


まぁ私の勝手なイメージだったんだけど。



車を下りた目の前には

それはそれは立派な門構え。
黒くて大きな門。




「す、すごい…」



その私の言葉に橘さんはニッコリと穏やかに微笑みそして私の前を進んで歩く。



「こちらが本家入り口となります。リュウガ様は普段別館で過ごされていますので、一ノ宮様のお部屋も別館へご用意いたしております」