ブラックⅠ-出会い-




少しの間二人で抱きしめ合っていたと思う。



ギュッと抱きしめられた身体は温かくて、そしてドキドキした。



全身でレイジの甘くて爽やかな香りを感じる。




「レイジ」



「ん?」



優しく聞き返すレイジが愛おしい。



「最近、避けててごめんね」




「あぁ、あと少しでブチ切れるところだった」



「…………」




良かった、本当に良かった。


もう少し私の愛の告白が遅かったら、レイジにブチ切れられてるとこだった。





「寂しいだろうが」





私の首元に顔を埋めたレイジが、なんだかちょっと可愛い事を呟く。



でもそんな呑気な事を思ったのはほんの一瞬で





「次したら、ただじゃおかねぇ」





「は、はい…」




やっぱりレイジはレイジだった。