少しの間二人で抱きしめ合っていたと思う。
ギュッと抱きしめられた身体は温かくて、そしてドキドキした。
全身でレイジの甘くて爽やかな香りを感じる。
「レイジ」
「ん?」
優しく聞き返すレイジが愛おしい。
「最近、避けててごめんね」
「あぁ、あと少しでブチ切れるところだった」
「…………」
良かった、本当に良かった。
もう少し私の愛の告白が遅かったら、レイジにブチ切れられてるとこだった。
「寂しいだろうが」
私の首元に顔を埋めたレイジが、なんだかちょっと可愛い事を呟く。
でもそんな呑気な事を思ったのはほんの一瞬で
「次したら、ただじゃおかねぇ」
「は、はい…」
やっぱりレイジはレイジだった。



