バンっと、私を逃がさないように横に置かれたレイジのたくましくて素敵な腕
そして壁とレイジに板挟みになっている私。
「待てよ」
「……………」
「逃がさねぇぞ」
「……………」
見上げた顔は、やっぱりどこまでもカッコ良くてレイジの八重歯が奇妙に光る。
ヤバイ、私の心臓…壊れちゃう…
普通の人が見たら、完璧に襲われている状態かもしれない。
いや、襲われてるには違いないんだけど
「なぁ」
低くて
静かで
よく響く、
「アオイ」
そんなレイジの声が好きだ。
色っぽくて
儚くて
どこか甘い、
「お前の気持ち、ちゃんと聞かせろ」
そんなレイジの瞳が好きだ。



