「はぁ」



思わず出てしまった小さなため息。




「最近なんだか元気ないね」




最近出来たばかりのショッピングモールで、クリスマスプレゼントを買ってもらった私は今カエデと一緒に駅前のカフェにいる。



「元気…はあるよ?」



頼んだココアをすすりながらカエデに笑顔を向ける。



「レイジと何かあった?」



優しくて穏やかなカエデ、いつも周りをよく見ているカエデ。


そんなカエデが、私とレイジの雰囲気に気がつかないはずかなかった。



「何かあったとかじゃないんだけど…なんていうか…」もごもごと口ごもる私にカエデは優しい口調で続ける




「レイジってさ、かなりの俺様だろ?」



うん、俺様だと思う。




「でもあいつって、実はすげぇ色々な事考えてるんだよ。チームのこと家のことイツキや俺の事まで、皆のために。お前が考えなくても良いだろって思うようなことも沢山考えてくれてる」



「……………」



「自分勝手で俺様で強引そうに見えて、実は人一倍考えてる。」



強引で俺様だけど、実は誰よりも考えて行動しているレイジ。



「もちろん、アオイちゃんの事も」



「え……」



「この間俺聞いたんだ、最近二人ともどうしたんだ?って、喧嘩でもしたのか?って」




喧嘩…したわけではない。
私が一人でドキドキしてるだけだ。




「そしたらあいつさ、なんて言ったと思う?」




何て?全然わからない…




「こんな事初めてだって、どうしたら良いかわかんねぇって、何でアオイが怒ってるのかわかんねぇって」



怒ってたわけじゃないのに…
どうやら私は相当酷い態度をしていたみたいだ。



「俺があんな事言ったからかもって」



「まぁなんて言ったかは聞いてないんだけどね?」と付け加えて。




「あいつさ、今まで散々自分の感情を殺して来たと思うんだ。きっと色んなことを我慢してきた、人より口数少ないから分かりにくいけど、きっとすげぇ我慢してきたと思うんだ」