そんな私とレイジが言い合いしてるのをイツキは後ろで楽しそうに見ていた。
「じゃあさ、カエ君のとこ行こうよ!」
確かカエデはたこ焼き屋さんをやるった言ってた。レイジはどう見てもクラスの出し物を手伝う雰囲気はないし、むしろ学園祭に参加する気さえほとんどないように見える。
「ダメだよイツキ!私達看板係りだよ?」
そりゃあカエデのお店には行きたいし、カエデがたこ焼き焼いてるのだってムービーに撮っておきたいくらいだ。
だけど、ついさっきまで忘れてたけど、私達一応看板係りを任命されたんだった。遊んでる場合じゃない。
そんな真面目な私とは裏腹に
「あー!それなら心配いらないよ!大丈夫!」と言ってニコッと笑ったイツキは、レイジに視線を移した後、その後ろへとさらに視線を移動させる。
「ね!レイ君」
「あ?」
イツキの視線の先には、やっぱり1メートル距離を開けた後、ずらずらと出来ている人集り。
あぁ、なるほどね。
そういう事ね。
レイジを連れていけば自然とお客様もセットだよ。ってことね、



