ブラックⅠ-出会い-




「やっぱりダメ!」



「あ?」



「やっぱりレイジホストになんてなっちゃダメ!」



「何だよいきなり、さっき見てぇって言ったじゃねぇかよ」



「ダメったらダメなの!」



必死で「ダメダメ」言い出す私に「なんなんだよ」なんて言いながら不機嫌そうに眉間にシワを寄せるレイジ。



なんとなく分かった気がした。
レイジの気持ちが。




レイジが私に浴衣を着るなって言った事と、同じ事を私は今している。



「他の男に見られてんじゃねぇよ」と言ったレイジ。



今の私はスーツ姿のレイジを「女に見せたくない」って思ってる。